確定拠出年金の運用実績

ファイナンス日記帳

安ければいいというものではない

昔から安物買いの銭失いとか、タダより高いものはないとか

コストをケチるといいことがない例えがある。

 

社会の中でも、低コストで製造して、利幅を稼ぐという

ビジネスが多い。

 

スマホの製造も、中国で作って、世界中に販売している。

低コストに甘えて、中国に製造を任せていたら

中国が経済力をつけてしまった。

作っているものが、通信機器であり、国防上重要なモノのなので

現在、米中貿易摩擦という名の国防上重要なコスト

(=調整コスト、時間的コスト、ビジネス上の機会損失コスト)を支払っている。

 

通信機器に対する考え方として、

欧米諸国(含む日本)は、通信の秘密・自由、個人情報の保護だ。

中国は、国を統制するために、国が関与するのは当然だ。

という考え方の違いがある。

このスタンスの違いは、米中間で分かりあえない。

もっとも、戦争をする前提なら、どちらも通信の秘密などないが。

 

日本は、米と中のスタンダードに合わせることになる。

日本メーカーは、製造拠点を中国以外に移している。

これもコストの上昇要因だ。

 

今日は、スクールバスを待っている小学生が襲われた事件があった。

犯人は自ら死んでしまったので、事件を起こした理由は分からない。

ただ、このような事件を起こすということは、

社会からの疎外感というか、不適合感があったはずだ。

犯罪はあるまじき行為だが、そこに至るまでの過程は分析する必要がある。

 

もし仮に、低賃金労働で先が見えない世の中に絶望したのであれば

低賃金に依存した社会は、今後も、低賃金であるがゆえの

社会的コスト(低賃金であるがゆえの未熟さ、仕事に対する不満、

怠惰な感情による弊害)を負担する必要がある。

具体的には、突然の事故であったり、無差別テロであったりするだろう。

 

少し前にスキーバス転落事故があって、大学生がなくなった。

推測だが、スキーツアーの料金も、競争が激しかったのだと思う。

安いツアーに大学生が飛びついてしまった。

 

その安さの裏には、低賃金働かざるを得ない人がいる。

低賃金で働かないといけない人に依存している構造がある。

 

低賃金で高品質を求めても、それは無理であり、

安さの代償に、命を失ってしまった。

 

大学生の中には前途洋々な人もいた。

それが、安全のコストをケチったばかりに命を取られてしまった。

運転手と大学生は何の関係もない。

ただ、たまたま乗客と運転手というだけだ。

 

今回の小学生襲撃の事件は通り魔であり、意図して犯行をしているが

企業が(社会が)、犯人を安くコキ使ったがために、

社会に不満を持ち、絶望を感じ、自爆テロのような

通り魔を起こし多くの命が犠牲になったとしたら、やりきれない。

 

おそらく、社会的な低コスト化を背景とする事件は今後も増えるだろう。

 

一部の勝ち組に支配される多数の低所得者の図は、

近年の日本では、奇跡的に見られなかった。

 

だが、今後は違う。

格差社会、貧富の差が付く社会になる。

 

すでに自分も多数の低所得者側で、レジのバイトをしている。

社会に復讐したい気持ちは分かる。

こんなはずじゃなかったと。

「自分」対「社会」となれば、相手は誰でもいい。

 

犯行の動機や、犯人の思想は分からない。

もし、低賃金による社会に対する絶望であるのなら、

社会構造のグローバルスタンダード化(格差社会、貧富の差)による事件だ。

(追記:どうも家庭環境が複雑だったようだ)

 

経済成長をして、世界で戦っていくために、

多数の低賃金労働が必要というのであれば

今回のような事件を受け入れる必要があるのだろう。

昔のように、みんな同じような経済環境ではないし

これからそれを求めてても無理であることを理解しなければいけない。

 

同年代として、子を持つ親の気持ちも分かるし、

犯人の生きざまというか、どこに不満をぶつけてよいか

分からない悲しみもなんとなく分かるので、これを書きながらお酒を飲んでいる。

事件で亡くなられた方にはご冥福をお祈り申し上げます。

 

時給1000円で雇用するのもいいが、その裏には

見えざる社会的コストが生じて、上級国民の皆様も含め

無差別的に、突然にコストの負担が強いられることも忘れないでほしい。